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くも膜下出血に対する脳動脈瘤頚部 クリッピング術について


「くも膜下腔」とは、脳を覆う「くも膜」と「脳」との間の空間をいいます。脳動脈の本幹部分はこのくも膜下腔を走行し、分枝を繰り返して細くなった枝が脳実質内に入っていきます。脳実質内にある脳動脈の細い枝から出血した場合には「脳内出血」になりますが、脳動脈の本幹部分にできた血管のふくらみ(脳動脈瘤)が破裂した場合には、その血液はくも膜下腔に広がり「くも膜下出血」になります。脳動脈本幹の血液の圧力は非常に高いので、くも膜下出血では強い勢いで脳を損傷し、生命に関わる重篤な病態となることがしばしばあります。主要な報告では、くも膜下出血の致死率は40%前後とされまた生存者の約半数に意識障害や麻痺などの後遺症が残るといわれています。

CT検査では、くも膜下出血は脳底部に広がる白い領域として描出されます

出血の量が特に多い場合は大きな血腫となり、救命のため緊急血腫除去術を必要とすることもあります。

脳動脈瘤の発生因子について

脳動脈瘤は、脳主幹動脈の分岐部に血流による強い力が加わり、徐々に拡大していくと考えられています。脳動脈の壁の特に脆弱な部分はさらに薄く突出して「ブレブ」を形成します。動脈瘤の多くは、この「ブレブ」が破裂することでくも膜下出血を生じます。
脳動脈瘤が発生する原因としては、血管分岐部の血管壁の構造(結合組織)が遺伝的に弱かったり、動脈硬化症などの後天的な因子で血管壁が脆弱になったり、また高血圧で動脈分岐部にかかる力が強い場合に生じると考えられています。

くも膜下出血(脳動脈瘤破裂)に対する脳動脈瘤頚部 クリッピング術の例

くも膜下出血は、クリッピング術後においても、「脳血管れん縮」による脳虚血や水頭症などの続発症に対する厳密な治療が必要です。
脳動脈瘤の破裂を予防する方法は、脳動脈瘤頚部クリッピング術のほかに「脳動脈瘤コイル塞栓術」があります。別項をご参照ください。

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